和三盆の豆知識|サトウキビ農家さんの一年
優しい甘さの和三盆。
和三盆はサトウキビからできており、本日はサトウキビに着目したお話です。
サトウキビと言えば、沖縄をイメージする方が多いのではないでしょうか。
実は沖縄以外にも、九州地方や四国地方をはじめ、様々な場所でサトウキビ栽培は行われており、
四国地方では、香川県や徳島県でサトウキビ栽培が行われ、愛媛県や高知県で黒糖用のサトウキビ栽培が行われています。
サトウキビの栽培期間・栽培方法について
日本では、植付けから収穫まで8ヶ月〜1年半の期間で育てられることが多いです。
農家さんに大切に育てられ、太陽の光をたくさん浴びてすくすく育ったサトウキビは、糖分をたっぷり溜め込んで、砂糖の原料になります。
サトウキビの栽培期間には3種類あります。
・春植:春に植え付けを行い翌年の冬に収穫(栽培期間:8〜10ヶ月程度)
・夏植:夏に植え付けを行い翌々年の冬に収穫する夏植(栽培期間:1年半程度)
・株出:冬の収穫後の株から出る芽を育て、翌年の冬に再度収穫する方法
農家さんごとに、栽培時期をずらしたり、長くしたり、土壌を変えたりするなど、工夫して栽培しています。
春植より夏植の方が生育期間も長く、サトウキビも長く太くなるので、サトウキビ単位の砂糖の収量が増えると言われています。
四国地方は、温暖な気候で冬は沖縄などに比べると寒くなってしまうので、春植が主流です。
夏の太陽の光をたくさん浴びてぐんぐんと大きくなり、秋〜12月ごろまでの少し寒い時期を越させることでサトウキビの糖度がグッと上がり、収量が高まります。
サトウキビは寒さには弱いため、それ以上放置してしまうとサトウキビが痛んだり、病気を持ってしまい、品質が落ちてしまいます。
12月になったら一気に刈り取りを行い、収穫後できるだけ早く搾ることで、鮮度の良いサトウキビ汁が採れます。
サトウキビに種ってあるの?
サトウキビは茎の節の部分に芽があり、ここを植えることで新しい芽が出てきます。
収穫時に、製糖用のサトウキビと翌年用のサトウキビに分けて収穫し、翌年分は土の中に埋めて温かい状態にして冬を越します。
サトウキビの品種について
和三盆に使われるサトウキビは「竹糖」や「竹蔗(ちくしゃ)」と呼ばれるサトウキビが古来より使われています。
香川県の地元の農家さんは、細いサトウキビのため「ほそきび」と呼ぶ方が多いです。
この品種は名前の通り細いサトウキビのため、台風の時期に曲がりやすく、1本あたりの収量も少ない品種です。
加えて品種改良されているサトウキビに比べて糖度が低いため、結晶化させるのが難しい品種のサトウキビです。
現在、徳島県や香川県で育てられていますが、農家さんや製糖所によってもさまざまな考え方を持っており、特色あるサトウキビ栽培・製糖が行われています。
和三盆の食べ比べなどをしてみても面白いかもしれませんね!